ドイツ語で仏教はどう語られるのか興味ありませんか?
日本文化は仏教とは切っても切り離せない関係にありますので、ドイツ語で日本の文化や思想を説明する際に、ドイツ語の仏教用語を知っていると便利です。
本書「Das kleine Buddhismus 1x1 小さな仏教入門」はわずか64ページの小冊子で、ごく簡単に仏教の基本概念を説明しています。
目次は以下の通りです。
Einleitung はじめに
Verschiedene Traditionen 様々な伝統
Die Drei Juwelen 三宝
Buddha 仏陀
Dhamma 法
Sangha サンガ(僧伽)
Die Vier Edlen Weisheiten 四諦
Der Edle Achtfache Pfad 八正道
Fünf Silas 五戒
Karma 業
Samsara 輪廻
Nirvana 涅槃
Das Bodhisatva-Ideal 菩薩の理想
Wiedergeburt/Reinkarnation 再生/生まれ変わり
Verdienst 功徳
Die Vier Göttlichen Tugenden 四無量心
Liebe (Metta) 慈
Mitgefühl (Karuna) 悲
Mitfreude (Mudita) 喜
Gleichmut (Upekkha) 捨
Mönch und Nonnen 僧と尼僧
Meditation 瞑想
Vipassana ヴィパッサナー瞑想
Die Drei Daseinsmerkmale 三相
Unbeständigkeit 無常
Leiden 苦
Nicht-Selbst 無我・非我
Ehrung an den Buddha 仏陀への帰依
Weitere Informationen その他の情報
説明の仕方は実にシンプルで、専門家からすると「厳密には違う」などということもあると思いますが、仏教というものを全然知らないドイツ語圏の人が読んで理解しやすいように書かれてあります。
ドイツ語の文章がとても平易ですので、仏教用語としてサンスクリット語(梵語)やパーリ語の単語が出て来はしますが、きちんとドイツ語で説明されているのでさして気にならないと思います。
ドイツ語の仏教用語は、ドイツ出身の最初の仏教僧Nyanatiloka ニャナティローカ(俗名 Anton Walther Florus Gueth、1878-1957)の仏典翻訳によるところが大きいようです。
著者のF.J. Jeskeは、この本をミャンマーとタイの国境にある山寺で修行しながら記したそうです。だから、実践者としての重みが平易な言い回しの中にこもっている感じがします。
インド学者のように小難しい説明でないところが、ポイント高いです。😊