Michael Ende ミヒャエル・エンデの「Die unendliche Geschichte ネバーエンディングストーリー(果てのない物語)」は数多くの言語に翻訳され、映画化もされた有名なドイツ児童文学作品です。日本でもファンの方は多いと思います。
2019年に Thienemann-Esslinger Verlagから、Sebastian Meschenmoser の油絵やイラストが入った豪華復刻版が出版されたので、思わず買ってしまいました。完読はしていないのですが、すばらしい挿絵を眺めているだけでも幸せな気分になれます。
初版は同社から1979年に出版され、今や児童・青少年文学の古典となっています。
異世界・パラレルワールドを舞台とするこの作品は、幻想的であると同時に教訓に富んだ長編小説です。
ドイツ語学習者が原文を読む場合、A2レベルの実力があれば、辞書を片手にストーリーの大筋はつかめると思います。
以前序章をブログ連載で朗読・文法解説・試訳しましたので、『ミヒャエル・エンデ「ネバーエンディングストーリー」を一緒に読もう』1~22回をよろしければ参考にしてください。
さすがにここまで丁寧に精読しようとすると、時間がかかり過ぎてかえってストーリー全体が見えてこなくなると思いますので、このような読み方はしない方がいいとは思います。
主人公の少年バスティアンが異世界「Phantásien(幻想国)」に入った後、様々な冒険をすることになりますが、Phantasie(幻想)をもじって国の名前によく使われる語尾-ienを組み合わせた造語「Phantásien(幻想国)」を筆頭に種々様々な架空の名称が登場するため、それらの名称に込められている含意まで理解するのはBレベルでもなかなか難しいのではないかと思います。
このため、やはり邦訳された『果てしない物語』を読んで好きになった方でないとドイツ語原文に当たるのはきついかもしれません。
岩波から出ている邦訳はこちら:
あなたもバスティアンと一緒に Phantásien に旅立ち、その国をNichts 無から救いませんか😊